北海道大学水産学部 北方圏生物研究会
Hokkaido University Faculty of Fisheries     Northern Regions Biological Study Group
 

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◎ 活動紹介 ◎

 
海鳥類航路調査(函館−大間航路)
 
調査責任者:倉沢平田

東日本フェリー函館−大間航路に乗船し、海鳥類の種類と個体数を記録しています(出現種はこちら)。調査頻度は不定期ですが、最低でも月2回以上は調査しています。モメ類やミズナギドリ類などが多数記録されています。また、カマイルカやキタットセイなどの海獣類も観察されます。この調査の目的は、平常時の海類の個体数や出現頻度などのデータを蓄積することです。2006年春に知で油汚染による海鳥類の大量死が確認され、社会問題にまで発展したこは記憶に新しいです。また、1997年にも日本海でロシア船タンカーのナトカ号から重油が流出し、重油にまみれた多くの海鳥類が犠牲になっています。のような事故が発生した場合、平常時の海鳥類のデータがあれば異常時のそれと比較することができ、事故の程度を把握する一助となります。事故が起こらないことが何よりですが、もし起こってしまったときのために、私たちは航路調査により海鳥類のデータを蓄積しています。

2006年度(秋季〜冬季)の調査から得られた結果によると、11月には渡り途中と思われるミツユビカモメが多数確認され、それに伴い、トウゾクカモメ類も少数が確認されました。また、冬季にはハシブトウミガラスやコウミスズメ、ウトウ、ウミスズメが特に多く確認されました。月ごとの個体数は安定していませんでした。2007年度(春季〜夏季)の調査ではハシボソミズナギドリ、ハイイロミズナギドリ、アカアシミズナギドリ、オオミズナギドリの出現傾向を把握したいと考えています。さらに、アカエリヒレアシシギについても多数確認されると予想されるので、注目していきたいと思います。

2007年度(秋季〜冬季)の調査では、2006年度の同時季に比べて全体的に海鳥の数が少ないようです。ただ、種ごとの出現時季や出現海域は2006年度と同様の傾向が得られています。今後、さらに詳しく解析する予定です。


 
海岸漂着物調査
 
調査責任者:倉沢平田

海岸を歩き、海鳥類の死体やオイルが漂着していないか調査します。死体を発見した場合、種類や部位、腐敗の程度などを記録します。海鳥類航路調査と同じ目的で行なっています。調査地として、函館市の大森海岸と北斗市の七重浜海水浴場の2地点を設けています。調査頻度は不定期ですが、必要に応じて随時調査しています。これまでの結果では、死体の漂着はほとんどありませんが、カモメ類やウ類などが時々見つかります。厳冬期は積雪のため死体が埋もれてしまうので、調査ができません


 
カモメ類による夜間の漁港利用調査
 
調査責任者:平田

カモメ類の一部個体は、夜間の採餌場所やねぐらとして港を利用しているようです。それを材料に、現在調査中です(出現種はこちら)。この調査の目的は、カモメ類などの鳥類による漁港の利用状況を把握することです。北海道開発局は、平成16年6月に、北海道漁港漁村の将来像として、北海道マリンビジョン21を策定しました。北海道マリンビジョン21において、漁港漁場施設の衛生管理体制確立に向けて、「鳥の糞の混入防止」が積極的な対応の一つとして掲げられています。実際に、多くの漁港では衛生管理型漁港の整備が行われており、カモメ類の糞害対策を具体的に講じています。これらの事業や体制確立を推進するにあたり、鳥類、特にカモメ類による漁港の利用状況について調べることは、基礎資料として重要になるものと考えています。

2006年度(冬季)の調査で得られた結果によると、夜間点灯している外灯の数が多い漁港ほど、カモメ類の個体数が多い傾向があることがわかりました。また、同じ港内では外灯からの距離が近いほど起きているカモメ類の数が多く、遠いほど寝ているカモメ類の数が多いことがわかりました。観察により、起きている個体は採餌していることがわかりました。カモメ類は人工的に作られた明るい環境を、夜間の採餌場所として利用しているのかもしれません。その理由として、視覚捕食者であるカモメ類にとって明るい環境では索餌しやすいことと、明るい環境には餌生物が密集していることが考えられます。2007年度(冬季)も調査を続けており、この点の解明を試みています。